60年代の日本の音楽シーンで一大ムーブメントを築いたGS(グループサウンズ)。
その熱狂と興奮を現代伝えるGS正統派伝導バンド。
福島県いわき市を中心に精力的に活動中。
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GSとはグループサウンズという和製英語の略称で、1966年から
1969年にかけて日本で活躍した電気系の楽器の演奏と歌唱を同比率でこなしていたバンドの総称です。
1966年といえば、かのビートルズが来日した年です。この年を境に、日本のバンドはそれまでのヴェンチャーズスタイルからビートルズのように歌と演奏を同比率でこなすバンドへと変化しました。それ以前にもビートルズスタイルのバンドはいくつかありましたが、まだまだマイナーな存在でした。とりあえず、ビートルズの出現が日本のミュージックシーンに与えた影響は大きいといえましょう。
1966年のおもなGSは、スパイダース、ブルーコメッツ、サベージ(名前だけだとデスメタルかパンクを彷彿とさせますが、フォーク系です)「想い出の渚」でおなじみのワイルド・ワンズ(このバンドも名前とサウンドが一致しないが)<といったところです。そして1967年にはGS史上最大の人気グループのタイガースがデビューしました。彼らは前述のバンドと違いルックスがよく、可愛らしかったので、たちまち少女たちを虜にしました。
特にボーカルのジュリーこと沢田研二は今のジャニプロタレントをしのぐ人気があったそうな。その様子は、タイガースの映画「世界は僕らを待っている」で知ることができます。
しかし、タイガースの出現が必ずしもよかったとはいえません。彼らの出現によりGSはよりアイドル志向が強くなり、男性ファンがつきにくくなりました。当時、男性ファンが多いバンドといえば、ビーバーズ、ダイナマイツ、ゴールデンカップス、モップスといったところですが彼らはセールスのうえでは、アイドル系に負けていました。ただし面白いことに、近年ではそうしたバンドや、シングルのみリリースして消えたバンドのほうが評価が高くなっています。
日本に吹き荒れたGS旋風も1969年には下火になりました。69年に入ると、それまでは目立たなかったバンド内の不和や、事務所への不満などが一気に表面化し、多くのバンドが解散への道をたどりました。音楽志向の強いGSは今までのスタイルに見切りをつけ、英米のロックシーンに呼応すべくハードロックなどの「ニューロック」への道を歩み始めました。
しかしそれ以外のGSにはテクニック的にもニューロックにはついてゆけず、解散するか、歌謡曲に転向するかしかありませんでした。<もっとも実力のないGSの中にはレコードではスタジオミュージシャンにやらせてたから無理もありません。
GSが生まれて30年近くなりますが彼らが後世に残したものははかり知れません。現在のビジュアル系のブームなどは、どことなくGSの派手なところを取り出した(だけ?)ように見えてなりません。げんに彼らの雛形たるバンドはいくつかありましたが・・・・。
とにかく、このページを訪れた方がGSの魅力に気づいてくださることを願ってやみません。
参考文献
日本ロック紀GS編
黒沢進著
シンコーミュージック
熱狂!GS図鑑
黒沢進著
徳間書店
日本ロック大系1957-1979 [上]
月刊on stage特別編集
白夜書房
2008/09/13(Sat)00:58:39